こんばんは。
今日は普段から運動する方には必ず忘れてほしくない情報をお伝えします。
今回は「ナトリウム(Na)」を紹介します。
ナトリウムとは
ナトリウムは人体には4番目に多く含まれるミネラルです。
ちなみにナトリウムは英語ではなく、ドイツ語の「Natrium」が語源のようです。
(英語では「sodium」と言います。)
ナトリウムは
- 調味料
- 漬物,梅干し
など色々なところに含まれています。
それこそ普通に食事をすれば「不足する」ことはあり得ません。
ナトリウムの効能について
ナトリウムがもつ主な効能は
- 細胞の機能を維持する
- 筋肉の収縮,弛緩のはたらきを保つ
- 神経機能を正常に保つ
などがあります。
この中で「運動」に関係するのは一見すると
- 筋肉の収縮,弛緩のはたらきを保つ
のように感じますが、今日はそうではなく
- 細胞の機能を維持する
について紹介したいと思います。
(筋肉については、これまでアミノ酸のところで「BCAA(バリン,ロイシン,イソロイシン)」や「アルギニン」などで説明したので、そちらを参考にしてください)
それでは質問です。
よく「塩分(NaCl)の摂りすぎは体に良くない」と言いますが、摂りすぎるとどのような症状が現れるでしょうか?
(答えは3つあります)
- 喉が渇く
- 血圧が上がる
- むくむ
です。
この3つの現象に関して説明をする前準備として、「人間を構成している各細胞が活動するために、細胞の内外に「水分」が必要」であることを理解しておいてください。
また、この水分は
- 細胞外の水に多く含まれる「ナトリウム」
- 細胞内の水に多く含まれる「カリウム」
の濃度バランスによって量を調整していることを頭に入れてください。
(ともに少量ですが、ナトリウムは細胞内にカリウムは細胞外にも含まれています。)
下に示している「ナトリウムポンプ」によって、体内外の各イオンの濃度を調整して、様々な反応がうまく行くよう調整しています。
(大学受験で生物を使う予定の生徒さんがいらっしゃったら、このポンプのことを聞いてみてください。入試必須知識です!)
さて、先に挙げた3つの現象の説明をしたいと思います。
- 喉が渇く
「摂取した塩分(から生じるナトリウム)によって、細胞外のナトリウムの濃度が増加」
↓
「ナトリウムの濃度を減少させるために「水」を欲する」 - 血圧が上がる
「細胞外のナトリウムの濃度を薄めるため、水分(尿や汗など)の排出を抑えようとする」
↓
「水分量が減少せず、水分を増加させようとするので、水量(結果的に血液量)が増え、血圧が上がる」 - むくむ
「細胞外のナトリウムの濃度を薄めるため、水分を多く取り込もうとする」
↓
「水を必要以上に摂取し、細胞周囲にたまる」
このように多くの好ましくない現象が起こるので、塩分の摂りすぎは気を付けないといけないわけです。
最後に
上に挙げた現象以外にも
- 高血圧症
- 腎臓疾患
- 不整脈や心疾患
など、塩分の摂りすぎが原因ではないか?と疑われる病気があります。
おいしいかどうかは食べていないのでわかりませんが、このような「減塩料理のレシピ」も多くありますね。
おすすめの関連記事
2016-07-10
幼少期の脳の発達に欠かせない!アラキドン酸のすごさを理解してみましょう。
2016-07-10
リノレン酸にはいくつか種類がありますが、どれもいいものばかり。アレルギーにアトピ・・・
2016-07-03
「脂でスキンケア?」意外かもしれませんが、業界では有名な話なんですよ。キーになる・・・
2016-07-03
オリーブオイルが体に良いとされているのは、なぜか知っていますか?オレイン酸がその・・・
2016-06-25
脳の活動を活発にしたかったら、この物質の力を借りましょう。ドコサヘキサエン酸は記・・・
SHARE