こんばんは。
今日は「肉体的,精神的につらい方」に役に立つ情報です。
今回は「エンドルフィン」を紹介します。
(注:エンドルフィンには複数の種類がありますが、ここでは「β」エンドルフィンのみを説明します)
エンドルフィンとは
エンドルフィンは、以前掲載した「ホルモンとは」では取り上げませんでしたが、大事なホルモンの1つです。
ここで質問です。
このエンドルフィンは、複数の別名(キャッチフレーズ)があります。
それは何でしょう?
- 脳内麻薬
- 快楽物質
などです。
そもそもこのエンドルフィンは、強力な麻薬である「モルヒネ」と同様の鎮痛作用を持ちます。
そして、ホルモンですから体内(正確には脳内でのみ)で合成されるため、上に挙げた別名がついているわけです。
エンドルフィンの効能について
主な効能は
- 鎮痛効果
- 苦痛をやわらげる(「ランナーズ・ハイ」を起こします)
- 免疫力の向上
- 心感,気持ちいい感覚を引き起こす
などです。
ここからは肉体面,精神面でエンドルフィンがどのように苦痛に対処してくれているかを説明してきたいと思います。
まず、肉体面からです。
前述した通りエンドルフィンはモルヒネと同様の鎮痛作用を持ちます。
(効果はエンドルフィンの方が何十倍も強いそうです)
そして、どちらも体内にある「オピオイド受容体」という箇所に各物質が結合してはたらきます。
(興味深いことに、この2つの物質は構造が似ていないにも関わらず、同じ受容体にはまってしまうんです!詳しくはこちらのページにどうぞ。)
次に、精神面に関してです。
これは有名な話ですが、人間は「気持ちいい」という感覚になっているとき、このエンドルフィンが多く分泌されています。
例えば、トレーニングなどをしていて苦痛があるレベルを超えると「気持ちいい」と感じるようになる「ランナーズ・ハイ」はエンドルフィンが起こす現象です。
さらに、死を察知した脳は
などの脳内伝達物質を大量に出すことで、苦痛を「とても気持ちいい状態」にしようとすることも分かっています。
つまり、エンドルフィンは「肉体的」にも「精神的」にも苦痛を和らげ取り除き、「気持ちいい状態」にしてくれるホルモンだということです。
ただ、これだけ素晴らしい物質でも問題点があって、体外から取り込もうとしても脳内まで到達することがないんだそうです。
要するに、このエンドルフィンは「脳内で作られるだけしか作用しない」ということです。
最後に
エンドルフィンのすごさを知っても、体外から取り込めないわけですから、体内合成量を増やすには?
ということが気になりますよね。
- 性行為
- おいしいものを食べる(油物や高カロリーだと分泌されやすいんだそうです)
- 熱湯に浸かる
- アルコールやたばこ(多量は効果減です)
- 瞑想
など色々な方法で分泌量を増やすことができます。
よくよく見ると、これらの行為の多くは「依存症」になりやすいものが多いですね。
これは、エンドルフィンの効果で引き起こされているのかもしれませんね。
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