美容/健康

「貧血⇒鉄」は有名でも、「貧血⇒銅」はあまり知られていません。実は鉄分だけでは貧血は解消されないんです!

-ミネラル

2016-02-14

こんばんは。
今日は以前紹介した「」同様「貧血に悩んでいる方」に朗報です。
今回は「銅(Cu)」を紹介します。

銅とは

もこれまで紹介してきた「ミネラル」の一種です。

突然ですが、現在日本で使われている硬貨が何種類あるか、即答できますか?

答えは「6種類」です。
(500円,100円,50円,10円,5円,1円です。実物はこちらへ。)

実は、この中で1円玉を除いてすべての硬貨にこのが入っています。

  • 500円玉:ニッケル黄銅(銅は72%,残りはニッケルと亜鉛)
  • 50,100円玉:白銅(銅は75%,残りはニッケル)
  • 10円玉:青銅(銅は95%,残りは亜鉛とスズ)
  • 5円玉:黄銅(銅は60~70%,残りは亜鉛)

となっています。

は、金や銀ほどではないですが、酸化されにくく安定なので硬貨として使用されています。
(昔の金貨や銀貨は、より安定な金や銀を使っていたということです。)

銅の効能について

主な効能は

  • 貧血の予防
  • 免疫力の強化
  • 動脈硬化の予防
  • 成長促進
  • 髪や肌の健康を保つ
  • 殺菌作用

などがあります。

この中から、今日のテーマ「貧血」に関して説明していきたいと思います。

以前紹介した鉄の回で「ヘモグロビンを合成する際の材料の1つが鉄なので、が貧血に関係している」と説明しました。

そもそも、このヘモグロビン、何をしている物質かご存知ですか?(本日2回目の質問です!)

答えは「酸素と結合し、体の隅々まで酸素を運んでいる」です。

さらに、このヘモグロビンは次の2つからできています。

  • ヘム(を含む「赤い」色素)←酸素はこのヘムに結合します
  • グロビン(タンパク質)
    (この事実を知っている方は、なかなかいないと思いますよ(笑))

では、今回紹介するは「鉄をヘムに変換する手伝い」をしているのです。

もう少し詳しく説明すると、は「セルロプラスミン」というタンパク質の構成成分になっており、このタンパク質がをヘムに変換するために必要な物質なのです。

つまり、食事やサプリメントで鉄分を摂っても、体内のの量が少ないとヘモグロビンは合成されず、そのまま排出されるだけとなってしまうのです。

余談ですが、人間の血はこのヘモグロビンの影響で「赤」ですが、イカやカニなどの一部の生物の血は「青」ですよね。
この違いはこれらの生物には、鉄の代わりにがヘムに含まれているからです。
(なので、ヘモグロビンではなく「ヘモシアニン」と呼びます)

このヘモシアニンに酸素が結合すると、「青い血」が出来るんだそうです。

最後に

主な効能のところに書きましたが、には「殺菌効果」があることが分かっています。
(これは銀なども同様です。)

具体的には

  • MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
  • レジオネラ菌
  • 病原性大腸菌o-157

などに効果があることが実証されています。

昔から「銅壺(どうこ)の水は腐らない」と言われているのは、この効果のおかげです。
実生活では「プールや貯水池の浄化」などで使われているそうです。
(このようなプロジェクトも動いているようです。)

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安達 弘行

安達 弘行

TEPPAN塾長

化学専門塾の塾長を務めながら、大手予備校でも講座を担当しています。趣味は旅行と海外サッカーです。

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